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筋トレは週何回が正解か──S&Cコーチが「頻度から決めない」理由

2026-06-08 ・ 読了 約7

「筋トレは週に何回やればいいですか?」は、体験に来られた方から最も多くいただく質問です。ネットには『目的別に週2〜3回』という頻度表があふれています。ただ、駅伝・ラグビー・野球・トライアスロンと種目の違う9名の競技者を動作の面からサポートしてきて、私たちは頻度を最初に決めることをほぼしません。順番が逆だからです。この記事では、S&C(ストレングス&コンディショニング)の現場で使っている『頻度の決め方』を、そのまま一般の身体づくりに落として解説します。

「週何回」から決めると、たいてい続かない

頻度を先に決めると、多くの場合こうなります。決めた回数を埋めるためにメニューを組む → 1回ごとの質が落ちる、あるいは回復が追いつかない → 手応えがないままフェードアウト。原因は、「頻度」を出発点にしていることにあります。

私たちの考え方はシンプルです。頻度は「結果」であって、出発点ではありません。まず決めるのは「1回でどれだけ身体に入るか」と「そこから回復するのにどれだけかかるか」。この2つが分かって初めて、あなたの週何回が導けます。

S&Cの現場では、頻度の前に「3つの量」を見る

ストレングス&コンディショニング(S&C)では、トレーニングの刺激を 頻度 × 1回の量 × 強度 の掛け算=「トレーニングボリューム」として捉えます。週の回数は、そのうちの1要素にすぎません。

  • 1回の量:1回のトレーニングで、何セット・何レップ入れられるか
  • 強度:どれだけ重い・速い刺激をかけるか
  • 頻度:その刺激を週に何回くり返せるか

「週2回」と決めても、1回の量と強度が毎回バラバラなら、身体が受け取る刺激も毎週変わってしまいます。だから現場では、先に1回の中身を固定し、回復を見ながら頻度を足していきます。

「週2回」という数字が同じでも、1回の中身と回復力で最適な頻度は変わる。
「週2回」という数字が同じでも、1回の中身と回復力で最適な頻度は変わる。

【現場から】種目が違う9名で、最適な頻度はこう分かれた

HELIXがサポートしているのは、駅伝・7人制ラグビー・高校野球(投手)・トライアスロンなど、種目の違う9名の競技者です。同じ「筋トレ」でも、競技によって最適な頻度はきれいに分かれます。

競技タイプ週の筋トレ頻度なぜその頻度か
持久系(駅伝・トライアスロン)週1〜2回走り込みの疲労と両立させるため、量を絞って高頻度にしない
瞬発・接触系(7人制ラグビー)週2〜3回出力とサイズを保つため頻度を確保。試合週は意図的に落とす
投球系(高校野球・投手)週2回+部位分割肩・肘に負担を集めないよう部位を分け、回復を優先する

トレーニングを専門にする競技者でもこれだけ違います。一般の方向けの「週2〜3回が正解」という一律の答えが、いかに大雑把かが分かると思います。大事なのは回数の多さではなく、あなたの回復力に頻度を合わせることです。

あなたの「回復力」は、動作アセスメントで見えてくる

「回復力に合わせる」と言われても、自分の回復力はどう分かるのか。HELIXでは初回に32項目の動作アセスメントを行い、関節の可動域・左右差・力の伝わり方をチェックします。ここには、回復を左右するヒントが多く含まれています。

たとえば、可動域に制限が残ったまま高い頻度で負荷をかけると、代償動作(別の場所でごまかす動き)が増え、そのぶん回復も遅れます。逆に、先に動作の質を整えるほど、同じ頻度でも回復は速くなる。これは競技者でも、姿勢改善で通われる方でも共通して見られる傾向です。

頻度を決める3ステップ(現場の順番)

  1. 1

    ① 1回の「入る量」を決める

    まず、1回のトレーニングで無理なくこなせる量と強度を固定します。ここがブレると、そもそも頻度を語る意味がありません。

  2. 2

    ② 回復にかかる時間を見る

    その1回のあと、筋肉痛や動作の重さが抜けるまでの時間を観察します。同じ部位は、一般に48〜72時間が回復の目安です。

  3. 3

    ③ 回復が終わる頃に次を置く

    回復し切ったタイミングに次の刺激を重ねます。これを1週間に落とし込むと、あなたの『週何回』が自然に決まります。

ずっと週3回やらなきゃと思っていました。でも週1回で1回の質を上げてもらったら、そっちのほうが身体が変わって。回数の呪縛から解放されました。
40代・自営業のお客様(週1〜2回で半年)

「週1回では少ない」は本当か

始めたばかりの時期は、頻度よりもまず正しい動作を身につけることが優先です。ゼロと週1回では、身体に入る刺激がまったく違います。動作が整わないうちに回数だけ増やしても、崩れたフォームを反復するだけになりかねません。

Q

毎日筋トレをしても大丈夫ですか?

A

部位を分ければ毎日行うことも可能ですが、同じ部位は48〜72時間ほど空けるのが一般的です。9名の競技者でも、毎日全身を追い込む選手はいません。まず週1〜2回で1回の質を上げるところから始めるのが、遠回りに見えて近道です。

まとめ

筋トレの頻度に、万人共通の正解はありません。S&Cの現場では、頻度から決めず「1回の量 → 回復 → 頻度」の順で設計します。まずは、今の身体の回復力を知ることから。HELIXでは32項目の動作アセスメントで、あなたに合った1回の量と、頻度の起点を一緒に見つけます。

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この記事を書いた人

相馬 拓真

相馬 拓真

代表トレーナー / NSCA-CSCS・指導歴10年

大学まで陸上短距離の選手として競技を続け、引退後はストレングス&コンディショニング(S&C)コーチとして10年。学生アスリートから40代のデスクワーカーまで、動作を起点にした指導を行ってきました。「感覚ではなく、動作から変える」がHELIXの信条です。

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